大学の先生からご依頼を受けて取り組んでおりました、
UVレーザーを利用した超微細加工システム
の開発が概ね終わりましたのでご紹介します。

こちらが全体システムの様子です。

全体写真


カメラでレーザー加工の様子を見ながら、UVレーザーで超微細加工ができます。
加工できるエリアは対物レンズx50の場合は、100~120μm角ぐらいです。

スポット径は理論値としては2.5μm!ぐらいです。
が、今回SUS板で印字した感じでは4-5μmぐらいでした。

この辺は材料やレーザーパワーで変わってくると思います。

まずは従来のシステムと何が違うのかを説明します。
従来はUVレーザーを使った微細加工は主にマスク方式が利用されていました。
精度が取れるメリットはありますが、加工したいものに合わせてマスクを作る必要がありました。
このマスクを作るのが非常に煩わしいようです。

今回のシステムはガルバノ方式のためマスクが不要になります。

システム概要

もちろんマスクに比べ精度が落ちる面はありますが、精度よりも機能性、拡張性重視の方にお勧めなシステムです。

では実例として「ABC」という文字をこのシステムで打ってみます。
※実際のシステムは「加工」が目的なので、文字を打つのは意味がないのですがこうゆうこともできます、という意味です


まずパソコンソフトで、加工したい文字を設定します。
今回は「ABC」という文字ですが、線でも四角形でも丸でも可能です。


ABC



文字高さは43μmのデータです。

これを印字してカメラで見るとこうなりました。

ABCカメラ画像


比較的綺麗に印字できています。
※ただミクロン単位なので周囲の振動が大きく影響しますので、防振台(除振台)というものが必須と思われます。

この文字を測定器で検証します。

ABC高さ


概ねデータどおりに印字できています。
線幅は4μmぐらいですね。

UV波長用の対物レンズ(50倍)を利用しています。
ただ単に対物レンズを使用しているわけではなく、独自の機構を備えております。

本システムは微細すぎて正直私もどのような分野、応用範囲があるかわかっていません
ただ欲しい人にはすごく魅力的な製品ができたと感じています。

今回開発のご依頼を頂いた先生は、研究開発をする上で微細な材料を何度も加工利用する必要があるとのことで、マスクを利用したUV加工システムは既にお持ちでしたが、ガルバノ式を強く望まれていましたので弊社がお引き受けすることになりました。

以前、別の大学の先生からは「導電性高分子(PBTTT-C14など)」を同じようにUVレーザーで微細加工の話を頂いたことがありました。

その時はそれになりに加工はできたのですが、線幅が50μmぐらいでもう少し細くをご希望でした。
↓当時実験した導電性高分子(PBTTT-C14)のUVレーザー加工写真

導電性高分子


今回のシステムで線幅4μmを実現できているので、リベンジは十分できそうです

導電性高分子を利用して半導体関係?の研究が活発化しているようですので、弊社のシステムも何かしら日本の研究開発にお役立てできればこんなに嬉しいことはありません


↓動画もあった方がいいかなと撮ってみました。防振台が欲しい。。ご参考まで